TCNが根津エリアで実施した地域DXの事例紹介
360°ビューイングを机上訓練に活用「避難所の見える化」

<TCN(左)が説明する様子>
東京ケーブルネットワーク株式会社(以下TCN)は、文京区・荒川区・千代田区にて地域密着のケーブルテレビ事業者としてのソリューションを生かした地域貢献をミッションとして、自治体と連携した地域DXで地域の課題を解決していくサービスを立ち上げました。
2023年7月より3区各地域にヒアリングを行ったところ、防災に関する課題が表面化してきました。
そこで、かねてよりTCNで研究してきた「360°ビューイング」を活用した避難所の見える化を提案することにしました。
モデルケースとして、根津弥生七ヶ町連合にご協力いただき、2024年6月に行われた根津小学校での避難所設営を撮影し、360°ビューイングを作成。
当日の様子
防災訓練の一環として行われた避難所設営の机上訓練
2024年11月17日、根津のふれあい館にて根津弥生七ヶ町連合会の防災訓練が行われました。
各町会の防災担当者が集まり、3班に分かれ、初期消火訓練、AED訓練などおなじみの訓練に加え、今回はじめての試みとして、360°ビューイングを活用した避難所開設の机上訓練が行われました。
<初期消火訓練の様子>

<防災士が説明する様子>
360°ビューイングを活用した「避難所の見える化」
「360°ビューイング」とは、建物などの実空間を3Dスキャンできる特殊なカメラで撮影することで、スマホやWEBサイト、VR等で建物内をウォークスルー閲覧できるコンテンツです。
避難所開設時の状態を360°ビューイングで映像化しておくことで、タブレット等の画面を操作するだけで実際の現場の画像を辿りながら避難所開設までのイメージを3Dで確認することができます。
「避難所開設の手順マニュアルが分かりにくい」
「有事の際にどのように設営するのか不安」
「備蓄物資がどこにどのぐらいあるのか不明」
「そもそも避難所内のイメージがつきにくい」
こういった役所や自治会・町会のご担当者のさまざまな悩みが、360°ビューイングを活用することで解決できます。
参加者からはイメージしやすいなど好評であった
参加者にはタブレットが配布され、防災士より「集合場所の裏門からこっちへ進んで……」「ここの鍵は○○と○○が持っています」と3D画像をもとに説明していきます。画面では、矢印や番号が進行方向を分かりやすく示してくれ、指先で進みたい方向に行くことができます。
「番号がついているから、どこから入ってどこに行けばいいのか分かりやすい」「途中で止めて質問もできるし、場面も戻れる。紙資料よりも映像の方がイメージトレーニングしやすい」と好評でした。

「ここに防災本部を設置します。これが防災BOXで、中身は……」と説明された防災BOXをタップすると、その中身が分かるようになっています。
倉庫の中も見ることができ、「どこに何があるのか、現地に行かなくても確認できるのは助かる」という声が多かったです。
「この備蓄倉庫の中を通って体育館に……」と映像をタブレットで操作しながら道順も手順も説明できるので、実際にその場に行かなくても臨場感のある擬似体験ができます。


体育館に張る防災テントの設営の仕方も、タップすることで、動画で確認できます。
また、テントの底辺を指でなぞるとその辺の長さを測定することができるので、実際の避難所設営で区画を割り振るときなどに大変便利です。同様に、廊下の幅や天井の高さを計測することもできるので、機材運搬などの際にも役立ちます。
根津小学校の体育館など、建物の俯瞰図も見ることができます。

説明を理解してもらうために模型を作ろうかと思っていた
<防災士の浜島さん>
「私が防災士になって、一番最初に避難所開設に関わった際に感じたのは、机上訓練の説明の伝わりにくさでした。地図しかないので模型があったらいいなと思いましたが、模型を作る技術はありませんでした。
そんな時に360°ビューイングの話があり、便利な時代になったなと思いました。模型を使ってやりたかったことはほぼカバーされたので、今後はこれをいかに活用していくか、運用について考えていきたいと思います」
また、現場で説明していても、20名規模のチームとなると、後ろの方はよく聞こえず、資料を見ながらついてくるだけになってしまうそうです。今回、タブレットで確認しながらの説明では、参加者から積極的に質問も出ており、皆さん「分かりやすかった」とのことでした。
リアルなシミュレーショントレーニングができて分かりやすい
<防災部長の向ヶ岡弥生町会田仲会長>
「360°ビューイングの活用については、TCNから提案があり、6月に行った根津小学校での防災訓練を撮影して作ってもらいましたが、素晴らしかったです。映像だと流すだけになってしまいますが、タブレットを操作して、見たいところで止められるのがいい。いろんな角度で見られるし、タグをつけて映像を載せることもできる。避難所を開設しなくても、現場に行った感覚でリアルにシミュレーショントレーニングができるのがいいですね。本日は各町会の防災担当者が参加しましたが、彼らが各町会に戻って広めていってくれるといいなと思います」
災害は、いつやってくるか分かりません。防災訓練では、実際に発災した時にどう動くのか、非常時に落ち着いて行動するためにも、綿密にシミュレーションを重ねていく必要があります。
360°ビューイングを活用し、避難所の見える化を進めることで、効率よく、リアルに防災訓練を行うことができます。

東京ケーブルネットワークでは
この実績をサービスエリアである文京区・荒川区・千代田区、さらに、全国でお困りの自治体に提供していきたいと考えております。
ご興味を持たれた方は、ぜひTCNまでお問い合わせください。